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S.Sさん(55歳)のお話
前職には28年3カ月在職し、あらゆるオフィス用品を法人向けに販売していました。中小企業や店舗への飛び込み営業を1日100軒やっていた頃の面白いエピソードなら、いくらでもお話しできます(笑)。
そんな私がMCSに転職したのは3年前の2021年8月です。社長の渡辺とは大学生たちの水上スキーの世話をしているつながりで以前から知り合いで、前職(大手IT企業)がたまたま同じだったこともあり意気投合。渡辺がMCSに移ってからも、公私に関していろいろ相談にのってもらっていました。
転職を決意した一番の理由は家族です。命を失いかねない大怪我や体調不良を経験した私は、妻と3人の子どもたちと接する時間をもっと大切にするべきだと気づきました。前職では終電まで働いて土日出勤も当たり前でしたが、今では平日の夕食を自宅でとることが多いです。家族と話す時間も長くなりました。子どもたちが多感な年齢でもあるので、妻からもとても喜ばれています。
仕事はMCSで唯一の営業職です。前職でも営業一筋でしたが、SES(System Engineering Service。システム開発などの労働力を提供する準委任契約。派遣契約や請負契約とは異なる)を売るのは初めて。当社のエンジニアのスキルシートや業務経歴書を顧客企業のところに持って行き、労働期間や金額を決めていく仕事です。でも、最初の頃はお客さんと何を話したらいいのかすらわかりませんでした。
そこで私が始めたのが、現場に行って社員たちと昼飯を一緒に食べることです。業務内容や業界用語を教えてもらうと、お客さんともスムーズに話せるようになります。私は対面での人間関係を築くのが得意なので、コロナ禍が終わってからは仕事が格段にやりやすくなりました。東京はもちろん、水戸の本社にも月2回は行って、社員やお客さんと会っています。
食事をしながらざっくばらんに話すと、社員がどんな想いを持って仕事に取り組んでいるかもわかるので、「次はあの現場に行ってもらうのがいいかも」という発想にも結び付きます。適材適所が実現すれば報酬金額も上がり、会社の業績にも貢献できるという好循環です。適材適所で社員みんなのモチベーションを上げることが私の仕事であり、(社員が稼いだ報酬の合計である)MCSの業績は自分が担っているのだと思っています。
私は子どもの頃から体を動かすことが大好きで、今でも年に4、5回はマラソン大会に出場しています。仕事でも動き回ることを嫌がったことはありません。50歳過ぎてからの転職はハードルが高かったことも確かですが、「定年が近いからゆっくりのんびりしていよう」と会社に居座るようなことは私には向いていませんでした。MCSでは自分で計画して果敢に行動できていて、会社の業績向上という形にもつながっています。先はまだまだ見えません。それは幸せなことだと思っています。
―S.Sさんへのインタビューを終えて―
ベテランの営業マンであるS.Sさんですが、新入社員のように目を輝かせながら前のめりで話してくれるのが印象的でした。家族との時間はしっかり確保できつつ、みんなのモチベーションを上げる計画を自分で立てて実行できる職場環境が嬉しくて仕方ないのかもしれません。
「会社のために私にしかできないことがいっぱいある!」と言い切れる50代管理職は多くないと思います。S.Sさんは職業人として幸せな後半戦を送っているのですね。そんなS.Sさんが相手ならば、若い世代も安心して自分のことを話せる気がしています。
Y.Kさん(37歳)のお話
ご無沙汰しています。前回インタビューしていただいたのが2019年7月なので5年5カ月ぶりですね。カッコ良くなった? いえいえ。5キロ以上太りました。この歳になると腰回りにみっしり肉がつきますね。運動は相変わらずしていません(笑)。
2年ほど前から彼女と同棲しています。彼女はアパレル勤務ですが、休みが合えば都内で買い物に行ったりしています。あとは別行動ですね。私は料理をしますが、たまたま彼女が家にいればその分も作る程度です。
たいていは自分のために作っています。居酒屋のメニューを真似するのが楽しいです。最近はフライパン一つで作れる料理に凝っていて、先日はチャーシューを自作しました。もちろん、酒を美味しく飲むためです。ウイスキーの業務用ボトルを常備してあるので、外で飲むよりもはるかに安く飲めます。いま欲しいものは圧力鍋です(笑)。
仕事は在宅勤務です。始業時間に端末をオンにして、その日のスケジュールを確認することから始まります。いまの現場はある金融機関のウェブシステムに関わる案件。実は、2016年にMCSに転職した直後から入っていた現場です。途中の4年間は離れていましたが、久しぶりに戻りました。その現場に長い他社の人と知り合いなので、「いま体が空いています。私も行けますか?」と売り込んだ結果です。営業担当の人(現在は杉坂営業部長)に仕事先を探してもらう前に、自分でも探そうと思っています。
今回は初めてのリーダー職です。メンバーの進捗管理や指示出しもしなければなりません。個人的には管理業務よりもコーディングのほうが好きですが、私には「課長みたいになれたらいいな」という目標があります。うちの課長は前職でも上司だった50代半ばの人で、MCSに転職した後に私も誘ってもらいました。年齢差を感じさせない人で話しやすいです。
私が所属している課は課長を含めて7名です。50代、40代、30代、20代とまんべんなくいて、飲み会では「マジすか?」といったくだけた言葉でも問題ありません。みんなであーでもないこーでもないと言いながら和気あいあいと飲んでいて、仕事についても「こうしていったらいいんじゃないすか」なんて気軽に言えます。良い雰囲気を保つことで、若い人たちがうちの会社で長く働いてくれたらいいなと思っています。
会社の飲み会は月初の夜に集まる会議の後に開かれることが多いですね。他の課の人も歓迎で、だいたい10人ぐらいで行きます。MCSは社長や部長も含めてみんな仲がいいので、誰が来てくれても大丈夫です。
誕生日休暇(MCS独自の特別休暇)の過ごし方、ですか? 酒を飲みに行くに決まっているじゃないですか(笑)。外で飲む機会はだいぶ減りましたが、立ち飲み屋などは相変わらず好きですね。スマホをいじりながら一人で淡々と飲むのもいいものですし、他のお客さんから話しかけられても応じます。先日は新宿で友だちを待ちながら、1つのお店で4時間も過ごしてしまいました。相変わらず酒を飲んでいる私です。
―Y.Kさんへのインタビューを終えて―
取材開始からカメラマンの馬場さんが「カッコ良くなりましたね!」と興奮気味だったのです。髭が似合っているからなのかもしれませんが、話を聞いていると5年前よりも度量のようなものが大きくなっているのを感じました。慣れてはいないというリーダー業務に精を出しつつ、「若い人たちが長く働いてくれたらいい」と温かな雰囲気作りにも気を配っているからだと思います。その実績と自信が表情や立ち振る舞いに出ていますよ。
会社内に目標にできるような上司がいるのは素晴らしいことですね。管理業務で迷うことがあったら、「あの人ならどうするだろう」と考えれば答えが見つかるかもしれません。もっと迷ったら、直接相談することもできますね。飲み過ぎには気をつけて(アルコール飲料と同じ分量の水を途中で飲むと体の負担が減るらしいですよ)、これからも楽しく働いてください。
R.Yさん(24歳)のお話
東京都目黒区の実家で暮らしています。入社4年目の現在はフルリモートでの在宅勤務で、就業時間は8時半から17時半まで。顧客企業から貸与されているPCで仕事をしているので外で作業することはできませんが、お昼休憩では母の手料理を食べられています。
MCSを知ったきっかけは、プログラミングなどを2年間学んだ日本電子専門学校(東京都新宿区)の先生から「福利厚生がしっかりしている会社だよ」と勧めてもらったことです。
私は社会人になっても趣味の時間などは確保したいと思っていました。業務内容は入社してから割り振られる案件次第なところがありますが、福利厚生制度は入社前にホームページなどで確認できます。MCSは土日祝日は休めて、有給休暇も取得しやすく、さらに「誕生日休暇」まであるのです。魅力的な職場だと感じました。
誕生日休暇はその名の通り、自分の誕生日に休める制度で有給休暇とは別の特別な休日です。会社から祝ってもらえているような特別感があります。2023年は母と外食を楽しみ、2024年は家でのんびりしながらスマホゲームに熱中することができました。
週末や長期休暇は恋人と一緒に過ごすことが多いです。有給休暇は休みたい日程を事前に上司に伝えて、社内システムに入力するだけです。上司はいつも「いいよ~」と快く許可してくれます。
今の業務内容は大手メーカーの社内データ連携およびシステム改善の案件です。大手メーカーの作業は、他案件を含め2年前からチームで取り組んでいます。チームの半数以上である6名がMCSの社員です。私は一部の作業のサブリーダーを拝命していて、リーダー含め5名のチームメンバーの進捗を管理しながら自分でも仕様書や作業手順書の作成をしています。
専門学校で学んだプログラミングの知識が基礎になっていますが、今の仕事では作成したシステムの説明を行う書類、システムの作成手順を記載した書類作りが中心です。自分が作った書類を見た人が作業をスムーズに行っていたりすると自信になりますね。文章を書く能力が少しずつ上がっていくのを嬉しく感じています。
在宅勤務とはいえ、毎日オンラインでの打ち合わせはありますし、電話でメンバーに質問したいことがあれば「通話お願いします」と連絡し合っています。文章で書いて伝えるよりも、画面共有しながら話したほうが早くて確実なことも少なくありません。特に、初めて取り組む作業や社外の人への説明の前は不安要素を気軽に相談できるのはありがたいです。
MCSは社員の仲がいいと思います。BBQや社員旅行などはみんなで楽しんでいますし、月初に会社に集まる会議の後などに飲みに行く社員も多いです。女性社員も増えてきたので、「スイーツ懇親会」なんていう企画もあります。
充実した福利厚生制度に魅力を感じてMCSに入った私ですが、期待以上の働きやすさだと実感しています。これからもしっかり休んで前向きに働き続けるつもりです。
―R.Yさんへのインタビューを終えて―
いま48歳の僕が就職活動をした頃は企業名や給料、キャリアパス、やりがいばかりが注目されて、福利厚生制度を気にする人は少なかった記憶があります。でも、年齢を重ねるにつれて、「心身をしっかり休めること」や「家族を大事にすること」、「学校や仕事以外の人とも交流して視野を広げること」の重要性がわかってきました。R.Yさんは責任感を持って熱心に働きながらもプライベートの時間と人間関係も大切にしていますね。そのバランス感覚がとてもいいなと思いました。
R.Mさん(23歳)のお話
工業高校で建築を学び、建設関連会社に一度は入社しました。でも、意見が言いづらい人間関係などが原因で半年後に退職。長く使える情報処理技術を身に着けるために日本電子専門学校(東京都新宿区)に入り直した過去があります。
失敗経験があるので就職活動も不安でした。自分でもいろいろ探しましたが、「ここに行きたい!」と思える会社はなかなか見つかりません。専門学校の先生が勧めてくれたMCSの面接を受けてみることにしました。
私が特に重視したのは社風です。自分の仕事内容や待遇だけではなく、会社全体のことについても提案したいほうなので、上司に意見を言えないような社風では困ります。もちろん、自分がみんなのためにできることは率先してやっていくつもりです。社長とのマンツーマン面談でMCSがアットホームで風通しの良い雰囲気の会社であることを優しく教えてもらい、入社を決意しました。
実際、MCSには話しやすい人が多いです。私と年齢が近い人も多いのも良かったな、と思っています。2年目の今はフルリモートの在宅勤務ですが、入社1年目は希望して池袋の東京支社に出社させてもらっていました。他のチームメンバーはみんな在宅ですが、支社に行けば総務の女性や営業部長のS.Sさん、社長の渡辺さんがいます。おかげで不安な1年目を乗り切ることができました。
入社当時から現場は変わっていません。大手メーカーのデータ連携・システム改善案件で、私は設計書の作成やシステムをテストする前段階の作業などに携わっています。自分でがんばって調べてもわからないことはリーダーに質問しています。
何でもすぐに答えてくれるリーダーの知識量はすごいです。わかりやすく話す力も必要な役割だとも思います。もっといろんな知識と能力を身に着けて、いずれは私もリーダーになることが目標です。
MCSは社員の仲がいい会社です。でも、社員旅行や期首定例会(毎年3月末に茨城で開催)などのイベント以外では私たち東京支社のメンバーと茨城本社のメンバーの交流が少ないのがちょっと寂しいなと思っています。緊張しがちな私ですが、いろんな人と関わることが好きなので、茨城本社の人たちとももっと話してみたいです。
週末は日本舞踊の稽古をしていることが多いです。小学校5年生のときから続けていて、高校時代に一度離れてしまったけれど、20歳から稽古を再開しました。私は大きな声を出すのが苦手なので演劇には向いていませんが、表情や声ではなく踊りで感情を表現する日本舞踊は性に合っています。
年に1回の発表会はたくさんの観客がいるので度胸も付きます。緊張しやすい性格を克服するために始めた習い事ですが、今ではもっと上達したいという気持ちが強いです。稽古がある土日は必ず休めるMCSの労働環境をありがたく思っています。
―R.Mさんへのインタビューを終えて―
R.Mさんは物静かな雰囲気なのに「会社全体のことについても意見を言いたい」「いずれリーダーになりたい」という熱量と向上心を内に秘めている女性です。努力と能力はちゃんと評価してくれる一方でアットホームで風通しのいい雰囲気のMCSとの出会いは必然だったのかもしれません。
姿勢が良く、表情が大きく変わらず、歯を見せて笑ったりしないR.Mさん。日本舞踊の教えが染みついているからのようです。着物姿だったらもっとスイッチが入ります、と言い切るR.Mさんにとって、日本舞踊は仕事と同じぐらい大事な軸なのだと思います。両面で自分を磨いて、人生をますます充実させてください。
(2024年12月取材)
前回の記事(2019年7月取材)は⇒こちら
*ライタープロフィール*
大宮冬洋(おおみや・とうよう)
1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。
編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。
東京・門前仲町にも月に数日は滞在し、東京原住民カルチャーも満喫中。
2019年、長期連載『晩婚さんいらっしゃい!』により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。趣味は魚さばき。
<著書>
『30代未婚男』(リクルートワークス研究所との共著/NHK出版 生活人新書)
『ダブルキャリア』(荻野進介氏との共著/NHK出版 生活人新書)
『バブルの遺言』(廣済堂出版)
『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』(ぱる出版)
『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)
『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書、電子書籍もあり)
*カメラマンプロフィール*
馬場敬子(ばば・けいこ)
1974年生まれ。18歳まで長崎県の平戸島で育ち、20歳で突然写真に目覚める。
短大で写真を学び、親の反対を押し切り上京。集英社スタジオを経て、料理カメラマン今清水隆宏氏に師事。
独立後、雑誌や単行本を中心に料理、人物、お花を撮影。現在は「今の自分にあった生き方」を目指し、多方面で活動中。